服リメイクは、服の見栄えをよくするためだけの技術ではありません。
私が服リフォーム業をしていた時、内部障害や病気や事故、ケガなどの後遺症により、身体の状態に合わせて服リメイク・縫製の技術を必要とされる方々のご依頼を受けることもありました。
今回ご紹介するのは、人工肛門を付けておられる方のお悩みを解決するリメイク法です。
太腿にファスナーを付ける:服リメイクでストーマの排泄をラクに
人工肛門を付けている方は、排泄物を溜めるストーマパウチと呼ばれる「袋状の医療具」から廃棄されます。
その際に、ズボンの太腿あたりにファスナーが付いていると、トイレでの作業がやりやすくなるとのことで、ご相談を受けました。
そこで、下のように20cmのファスナーを、パンツの太ももあたりに縫い付けるリメイク法をご紹介します。
ちなみに、このリメイクを服のお直しに出すと、1500~3000円はかかると思います。裏地が付いてる服だと、さらに倍以上かかるかもしれません。
全部でザックリ3つのステップしかないので、慣れればそんなに難しい加工ではありません。
おしゃれ好きで服を何枚も加工したい方や、お金をあまりかけたくない方は、ご自分で直してみてはいかがでしょうか?
付け方3ステップ:服リメイクでストーマパウチの排泄をラクに
まず、全ての工程は下の通り。
- 穴を空ける
- 穴をキレイに整える
- ファスナーを縫い付ける
たった、この3つのステップです。詳しいやり方は、次の通り。
穴を空ける:服リメイクでストーマパウチの排泄をラクに
ファスナーを付けたいところに、マジック等で線を引きます。
はさみ、またはカッターナイフ等で、18cmの穴を空けます。
ファスナーを付けるズボンの面だけ、切りましょう。
はさみで1cmほど切り込みを入れたら、まっすぐキレイな直線で切って下さい。
穴を空ける:服リメイクでストーマパウチの排泄をラクに
次に、穴全体の長さが20cmになるよう、その直線の両端に、> < のような一辺5mmぐらいの切り込みを入れます。
すると、こんな感じになりますよね。
この切り込みを入れておくことで、キレイな形の穴に整えやすくなります。
穴をキレイに整える:服リメイクでストーマパウチの排泄をラクに
穴全体の長さが20cmぐらいになるよう、下の白の線でズボンの裏側へ5mm幅で折り、ピンで留めます。
裏側から見ると、こうなります。
もしアイロンがある場合は、ピンで留める前に、折った線にアイロンをかけて、キレイな長方形の穴にしておきます。
すると、その後の作業がやりやすくなります。アイロンがない場合は、待ち針で留めて折り目を付けるなどして、折りグセを付けておきます。
ファスナーを縫い付ける:服リメイクでストーマパウチの排泄をラクに
穴からファスナーの歯が見えるように、ズボンの裏側にファスナーを置き、待ち針で留めます。
いよいよ、ファスナーの周り(赤い点線)を縫います。
ここで、一気にぐるりと縫ってしまいたいところですが、まだ慣れていない場合は、一辺ずつ、確実に縫えるところから縫っていきましょう。
ミシンで縫うのに慣れてる方は、ぐるりと一周、縫って下さい。少々、曲がってて真四角に縫わなくてもOKです。
まとめ:服リメイクでストーマの排泄をラクに
ストーマパウチからの排泄をラクにするアイデアとして、パンツの太腿あたりにファスナーを縫い付ける加工をご紹介しました。
服リメイクの情報発信を通して、様々な事情のある人々と接する機会に恵まれています。ストーマのことも含め、それまでは知り得なかったことを知り、勉強になっています。
私のスキルや知識が、あなたのお役に立てましたら幸いです。
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